2008年

発表!「スゴブロ2008」ベスト20

発表!「スゴブロ2008」ベスト20

 ここに「スゴブロ2008」のベスト20を発表します。
 その前に、この企画の変遷について簡単にご説明を。

 04年の年末に『このブログがすごい!2005』(宝島社)。05年の年末に『このブログがすごい!2006』(宝島社)。06年末に『このWeb2.0がすごい!』(日経BP)という本を作り、このなかで「このブログがすごい!」と題して、ブログのランキング発表を行なってきました。
 このランキングで目指したのは、巷にある良質ブログを発掘するということでしょうか。企画を始めた04年の末頃には「ブログといえば芸能人の日記」のごとく報道されていたので、「普通の人が書くものを読んでこそのブログでしょ」と、そんな想いで作り始めました。
 ま、それがそれなりにご支持いただき、都合3回にわたって出版の形でやったのですが、今年はウェブで発表させていただくことにしました。
これは「ブログ」という大枠の括りで本を出すことが難しくなってきたことなどに起因するのですが、ま、そこは前向きに捉えて、ウェブで発表することによって、ネット上でより多くの繋がりが持てればなぁと考えております。
 ただ、ウェブで発表するからといって選考のスタンスは変わっていません。

  1. ニュースなどを取り扱う二次情報系のブログよりも、自身の体験や考えを綴る一次情報系のブログを優先して選ぶ。
  2. ごく一般の方が発信しているケースを優先的に選ぶ。
  3. 他のブロガーの人にとって参考になる要素が多いブログを選ぶ。

 その選考基準はこんなところでしょうか。
 また、ウェブに移行するに当たって、タイトルを従来の「このブログがすごい!」から、短く「スゴブロ」としました。これによって、「スゴブロ」というポータルサイトとの連携をちゃんとつけてやっていこうかと思っております。

 では、能書きが長くなりましたが、このランキングを通して、多くの人が素晴らしいブログと出会っていただけたら嬉しいです。また、選出させていただいたブログの作者の方にとって、少しでも更新に対する励ましというかモチベーションアップに繋がれば、これもまた嬉しいです。 また、最後になりましたが、今回の選考にも『面白いサイトを見つけたよ。』の武田タケさんの多大なるご協力をいただきました。というか、2人のタッグによって作ったベスト20です。タケさん、これからもよろしくお願いします。(岡部敬史)。

1位 ココロ社

http://d.hatena.ne.jp/kokorosha/

ブログを「自分が編集長のミニコミ」と捉え、ユニークな独自コンテンツを発表し続けている注目作。街ネタ、風刺、観察記など、雑多なテーマを巧みに切り取って記事を作り続ける様からは、規格外の才能を感じずにはいられません。素顔もモロ出しでおバカなことに全力投球する姿を見るにつけ「1位はこれしかないな」と感じてきたのでありました! その詳細は、こちらのインタビューで

ココロ社インタビュー バナー

2位 本屋のほんね

http://d.hatena.ne.jp/chakichaki/

質の高い発信が多い書店員ブログのなかでも、とりわけ秀逸なのがこちら。本屋大賞の予想(見事的中)や、配本の実態。「新書はどうやって並べるのが理想的か」などといった問題提起など、書店員の目線で綴る記事が実に高いクオリティにあります。書評で薦める本のセレクトも個人的には実に的確だと感じており、読書ガイドとしても一級です。(関連記事

3位 さっぽろサイエンス観光マップ

http://d.hatena.ne.jp/costep_webteam/

「札幌駅や時計台など開拓使の建物は、なぜ星型に配されているのか?」。このような札幌の街にある不思議を科学的なスタンスで解明していくという実に楽しいコンテンツ。北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)という教育組織が、ウェブ制作実習で作ったという背景も実に興味深く、ぜひ多くの人に見ていただきたい。詳しくは関連記事にもあります。(関連記事

4位 再開発で変わる東京風景

http://blogs.yahoo.co.jp/monakichisan

とある街の風景を異なる時間軸で撮影して見比べる――。大雑把に言ってしまえば、これだけのことなんですが、日々、開発が進む東京を舞台に撮影しているため、実に魅力的なコンテンツになっています。忙しく街を歩いていると、毎日通る路上から眺められる景色であっても、その変化に気付かないものです。その変化をこうやって俯瞰して眺められるなんて素敵です。はい。(関連記事

5位 日本珍スポット100景-B級スポット観光ガイド-

http://b-spot.seesaa.net/

観光スポットをガイドするブログは数あれど、これほどの労作にはなかなかお目にかかれないでしょう。紹介されているスポット数は、全国津々浦々を巡って270以上(日々増加中)。しかも、一般の人がなかなか脚を運ばない博物館や秘宝館、変わった街のイベントなど見所満載の「珍スポット」を写真付きで詳細レポートしている上、デザイン、テキスト、写真のすべてがハイレベルですからね。まさにスゴブロです。

6位 窓の図鑑

http://madozukan.exblog.jp/

明治、大正、昭和の建物の「窓」にテーマを絞ったブログで、円形やアーチ形などといった、今の画一化された建築では見られない窓の造形美が存分に味わえます。明治期以降の建築資料などを探している人にとっても、一見の価値のある写真ばかり。ひとつとして同じものがない窓の美しさに圧倒されますよ。(関連記事

7位 じゅん☆ブログ

http://505060.blog12.fc2.com/

北海道を旅する作者が、旅のレポートを「Spa」(温泉や秘湯など)「Trip」(観光地や自然など)「Rail」(駅舎など)などとわかりやすく分類して紹介しておられます。なかでも注目は、どんな荒涼地にある露天風呂でも体を張って入浴したり、3メートルの距離からヒグマを撮影したりするなど、全編から見てとれる作者のアドベンチャースピリッツでしょう。スゴイですよ。

8位 トレンドスケッチ-流行採集フィールドノート-

http://www.fashion-j.com/trend/

街ゆく人のファッションを巧みに描いたスケッチをほぼ毎日アップしている見ごたえ充分のブログです。サイドバーにある月ごとのリンクから過去の作品を見ていくと、同季節の前年にどういったファッションが流行していたのかが俯瞰できるのも実に面白い。「考古学ならぬ『考現学』を目指して作っている」という作者のお言葉が見事に具現化された素晴らしいブログだと思います。(関連記事

9位 ぷぷぷぷぷぅ ~フリーターパパの育児マンガ~

http://n1nn1n.blog22.fc2.com/

今年は、僕自身もパパになった関係でいくつかの育児ブログを愛読してましたが、そのなかでも一番好きだったのがこちらの作品。人気マンガ『カバチタレ!』のアシスタントである作者が、愛娘「ぷぅちゃん」との日常を描いておられるんですが「子供はどんどん成長するが、僕の漫画は進まない」などといった自虐ネタに何度笑わされたことでしょうか。子育てパパには、自信をもってオススメします。

10位 DREAM

http://brownlab.exblog.jp/

作者であるご夫婦にとって長年の夢であったログハウスの制作過程をレポートしたブログ。ログハウスキットの到着、基礎作り、外壁の組み立て、そして完成。こういった工程がシンプルに紹介されているだけですが、着々と夢に近づく様子は見ていてとても楽しいです。
改めてモノが作られる工程のレポートとブログとの相性の良さを再認識した次第。ブログの本質的な使い方を改めて考えさせてくれる良作です。(関連記事

11位 バタフライ・ライフ(地球の愛し方)

http://blife.exblog.jp/

写真家である作者が、旅の途上で出会った人たちの様々なシーンを紹介しているブログ。写真ブログは、総じてクオリティが高いのでなかなかひとつを選ぶのが難しいですが、本作には、日本の写真ブログに総じて少ない"魅力的な笑顔"が溢れているのが印象的でした。「寺院の中のインド象」など、当地のリアルな暮らしぶりが見られるのもいいですね。

12位 給食万歳 All I Want for School Dinners

http://blog.livedoor.jp/doni001/

調理員として学校給食センターで働く作者を含む2人で、給食のメニューや、調理の仕事、学校給食に関するニュースなどを紹介しているブログ。食育の基礎となる給食の重要性を説きながら、楽しめるコンテンツも随時アップするなど、メッセージ性とエンタメ要素のバランスがいいですね。また、撮影、編集した「」などの動画コンテンツも見事な出来栄えです。

13位 オバッチのJacket Lunch Box

http://jakeben.blog111.fc2.com/

卵や海苔を使ってお弁当にハム太郎などを描く、いわゆる「キャラ弁」は、ブログの定番コンテンツのひとつでしたが、こちらのキャラ弁は従来のそれとは一味も二味も違います。というのは、ここで描かれているのは、国内外の名盤ジャケットなんですよねぇ。つまり「キャラ弁」でなく「ジャケ弁」ってとこでしょうか。うーん。大人風味! 仔細なレシピも付いて見ごたえアリです。

14位 ダジャレスケッチ

http://www.dajare-sketch.com/

ブログの良さは、いろんな人がネットで発信できるようになったことだと思っています。そんな理由もあって、毎回、子供が主役のブログを選んでいるのですが、本年の注目作はこちら。小学1年生の女の子が「猿が去る」「シャベルが喋る」といったダジャレをイラスト化しているのですが、その素直であり時に大胆な発想がカワユイです。常識にとらわれない子供の発想はやっぱいいですね!

15位 カキタベ!

http://takapu0214.main.jp/friedoysters/

海のミルクと呼ばれる「牡蠣」をテーマにしたブログですが、2つのポイントが面白いです。まず、複数のブロガーで共同運営している点。そして、牡蠣をテーマにしているゆえ冬がメインのシーズンブログの一面がある点。また、牡蠣といえば、生ガキかカキフライくらいしか頭に浮かばない人も多いでしょうが、実に多彩なメニューがあって驚きました。カキのピラフとか旨そうです。

16位 写俳日記(写真俳句) 写真と俳句のいい関係

http://shahai.exblog.jp/

室町時代に起源する芸術に俳句に挿絵を加えた「俳画」というものがありますが、デジタルカメラで撮影した写真に、趣のある俳句を絡めて作品化しているこの「写俳」は、その現代版といった感じでしょうか。作品をずっと見ていくと、写真と俳句の付かず離れずの関係性の妙に気付くと思います。こういった中高年の方も楽しめるブログが、もっと増えるといいですよね。

17位 一畳プラレール

http://star.ap.teacup.com/pettanesa/

かわいい電車がコトコト走るプラレールで、いかに楽しく遊んでいるかを綴ったブログですが、ともに暮らす恋人から「一畳だけなら常設してもいい」という縛りがかかったことで、俄然面白くなっています。狭い場所でどんどん上に積み上がるプラレールの模様はもちろんのこと、ペットであるカメの視点によって書かれるテキストも味があって楽しいです。

18位 変形バカ一代!ジザイトイズ

http://jizaitoys.seesaa.net/

戦車や飛行機だけでなく、イスや鳥居までもがロボットに変身する変形玩具を作る札幌のお二人が、その作業中の作品などをアップしておられる。モノを作る工程とブログは、とても相性がよいものですが、本作でもそのことを再認識できます。「やや手こずってます」などという本音がチラホラしてるのも臨場感があってグーです。グー。

19位 BedJump.com

http://www.hotelsbycity.net/blog/bed-jump/

ベッドでジャンプしている人たちのあまりに無邪気な笑顔の数々に笑ってしまうブログです。ただ、単なるお遊びブログでもなく、よくよく見ていくと旅行のポータルサイトがベッドジャンプの写真を公募して、集まった写真を載せている模様。つまり、これビジネスブログだったりするわけですね。ふむむ。ブログを使った集客もこうやれば盛り上がるという好例ですかね。

20位 FX(外国為替証拠金取引)で大金持ちになるまでの道

http://blog.livedoor.jp/nyankotokenken/

毎年、ブログを上手に使ったネタ系の作品をランクインさせていますが、今年の秀作はこちら。表題通りFXでの収支記録として「今日からFX!」なる記事から始まったのですが、翌々日の「さようなら」なる記事でいきなり終了。要するに、この時期の相場の乱高下で大きな損害を被ったとする、日記形式のネタ……ですよね? 本当だったら南無南無です。

NAVI