2009年

2009年のベスト20!

発表!「スゴブロ2009」ベスト20

 今年も「スゴブロ2009 ベスト20」をお届けします。
 その前に、毎年のことなんですが、簡単にこの企画の趣旨をさらっと説明しておきます。

 04年の年末に『このブログがすごい!2005』という本を作りました。ここで目指していたことは、あまり有名でないけど面白いブログを紹介するゾ!ってことでした。当時は、「ブログといえば芸能人の日記」のごとく報道されていたので、「普通の人が書くものこそ面白いでしょ」と、そんな想いで作り始めたわけです。んで、この本の中で「ベスト20ブログ」を選んだわけですが、これをそれなりに支持してもらったので、じゃ毎年やろうかとなったわけです。

 それで05年、06年と本という形でやってたんですが、07年からはこの「スゴブロ」というサイトを立ち上げて、発表してます(このサイトに移行してからは、2月6日を発表日にしてます)。数えてみれば今年で5回目ですね。んで、これも毎年書いてますが、一応、どういったものを選ぼうとしているのかという基準を紹介しておきます。

  1. ニュースなどを取り扱う二次情報系のブログよりも、自身の体験や考えを綴る一次情報系のブログを優先して選ぶ。
  2. ごく一般の方が発信しているケースを優先的に選ぶ。
  3. 他のブロガーの人にとって参考になる要素が多いブログを選ぶ。

 こんなところでしょうかね。

 あと、今年の傾向のようなものを書いておくと、やはり「はてなブックーマーク」に代表されるソーシャルブックマークの影響で、選ぶものがだいぶ変わったですね。
「はてブ」ができる前は、どうしてもブログとしてテーマが明確なものを選んでました。でも、はてブのお陰で、ブログ自体のコンセプトが「俺の日記」みたいなものでも、記事が面白いブログに行き着けるようになった。そういった影響もあって、今年は、このランキングを始めた2004年当初とは、だいぶ趣きが変わってきたと思うし、今のほうがいいと思います。
 また、その影響もあって、随分と前から書いているのに、今更選んでますというのも多いです。ま、それは去年の1位の「ココロ社」さんも同じ(ネットでの発信は97年からだった)なので「今更選びやがって」なんて気を悪くしないでくださいね。

 では、いろいろ書きましたが、このランキングで素晴らしいブログに出会える人が増えたら嬉しいです。また、ブログ作者の方の更新モチベーションがちょっとでも高くなればこれまた嬉しいです。

では、能書きが長くなりましたが「スゴブロ2009 ベスト20」をどうぞ(岡部敬史)。

*今回もこのベスト20は『面白いサイトを見つけたよ。』の武田タケさんといっしょに作りました。タケさん、どうもありがとう。また来年もよろしくお願いします。

《1位》 スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム

http://blog.livedoor.jp/vitaminw/

野球にサッカー、格闘技に卓球、スケートにいたるまで、ありとあらゆるスポーツを題材に「スポーツに興味ない私が読んでも面白い」と言わしめる超絶コラムブログ。3000ワード近い長文もまったく退屈させずに読ませる力量には脱帽です。誰でも作れそうで作れないそのクオリティから1位にさせていただきました。その魅力はこちらのインタビューで。

「フモフモコラム」インタビュー

《2位》 メレンゲが腐るほど恋したい

http://d.hatena.ne.jp/mereco/

作者であるメレ子さんの旅行記&身辺雑記でしょうかね。写真と文章、そしてネタのセレクションが絶妙です。その絶妙さ加減は、緩急自在といいましょうか。ノンビリ&ほんわかしてたのに、急にピリリ!とする感じがいいんです。ってこんな説明じゃよくわからないでしょうから、詳しくはこちらの武田タケさんの記事でどうぞ。モンスター反響を記録したというモジャモジャ犬「わさお」秘話なども読めますよ。

《3位》 平民新聞

http://d.hatena.ne.jp/heimin/

自分の体験や日常の雑感を文章と写真で紹介しているわけですが、そこから感じる「純文学」っぽい匂いが実にいいブログ。まずは、サイドバーの「ブックマークから」で、みんながお気に入りにしている「カレーの一生」「誰に言葉を」「おいどんはただ生きてるだけよ」あたりから読んでみるといいと思います。ここだけがもっているオリジナルの強さをすごく感じると思いますよ。

《4位》 瑠璃色Tradition -和の暮らしを楽しむブログ-

http://ruri.crara.cc/

「おもしろい、楽しい、気軽に」の視点から「和」を追いかけていくというコンセプトが上手にはまったブログ。ネタのセレクションやデザインだけでなく「世界遺産の熊野古道を着物で歩いたった!」なる体験エントリーも一級品。トータルバランスに優れた秀作です。

《5位》 UMAファン ~ 未確認動物

http://umafan.blog72.fc2.com/

UMA(これで「ユーマ」と呼ぶ)、つまり未確認生物の情報をアップしているブログ。発見場所などの詳細記事はもちろん、どこから取ってきたのか苦労が忍ばれる画像や、Google Earthのポイントガイドまで実に丁寧に作られています。昔、「川口浩探検隊」を熱心に見ていた人は大ファンになること間違いなし。読んでワクワクできるブログです。

《6位》 アシでメシが食えんのか

http://ashimeshi.blog17.fc2.com/

漫画のアシスタントである作者が、ギャラや恋愛事情、細かい仕事内容にいたるまで、自身の仕事内容を漫画でレポートしてくれるブログ。読者からの質問に答える丁寧な更新ぶりも人気の要因でしょうが、やはり自分が知らない仕事の世界を教えてくれるのは面白いなぁと思わせてくれた好例。似たようなブログが増えてくれるといいなぁと。

《7位》 日本全市訪問紀行

http://nkym.blog2.fc2.com/

日本のすべての市にある市役所を訪問するという偉業を成し遂げた記録。おそらくひとつのブログにかけた労力たるや群を抜くものがあるのではないでしょうか。自分の生まれた市、今住んでいる市、旅行でたまたま訪れた市、どこを探してもその市役所が出てきます。ちなみに一旦は制覇したはずなのに、合併によって新しく市ができたらそこはまた新規に出かけるというこだわりぶりもスゴイ。

《8位》 【まんが&フォト】 ほかの国のコトバ 8

http://gogakuru.exblog.jp/

フランス語やスペイン語、中国語などさまざまな語学における気になるエッセンスを紹介しているブログ。英語だけなど、ひとつの語学に特化したブログが多いなか、多種言語に関心を向けているところが興味深いです。また学習という堅苦しいスタンスでなく、かわいいイラストとともに身の回りのちょっとした出来事にも触れて誰もが楽しめる記録になっているのが実にいい。多くのファンをつかめるブログの好例ではないでしょうか。

《9位》 Z旗ブログ~「明治」という国家

http://www.z-flag.jp/blog/

司馬遼太郎の『坂の上の雲』をメインテーマにして、登場人物や物語などに関する事象を、「今日は何の日」の形態で、日々紹介しているブログ。文章の完成度、写真などの資料の貴重性、ネタの幅広さなど、どれをとってもよく出来ています。09年の年末から始まる『坂の上の雲』のスペシャル大河ドラマを楽しむうえではもちろん、広く近代史を学ぶためにもとても役立ちますよ。

《10位》 トーキョーワッショイ - 東京人が一番見たい東京ネタ

http://tkyw.jp/

ブログ版の『散歩の達人』とでもいうべき、カッコつけない等身大の街情報発信ブログ。複数の記者が地元を紹介するというスタンスが、上手にコンセプトとマッチしてていい感じ。流行の最前線ではないけれど、私だけのとっておきを紹介します。そんな原稿の数々はノンビリできていいですね。

《11位》 橋本健二の居酒屋考現学

http://d.hatena.ne.jp/classingkenji/

社会学者である橋本健二さんのブログ。「居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある」とされる橋本さんが綴る居酒屋探訪記という体裁ですが、とにかく店のセレクションが絶品。無名であっても「味と値段と雰囲気」が良さそうな店をルポされており、最高の居酒屋羅針盤ではないでしょうか。昼からビールを飲むと決めていたけど、大学周辺で学生に見られたくないからと思い出横丁まで遠征するといった描写なども実に楽しい。酒好きには文句なくオススメです。

《12位》 怪獣ヒロンの「こんな私を笑って」

http://d.hatena.ne.jp/hrykm169/

料理や日常観察や思索やオフ会報告や思い出話など、とにかく思いついたネタをすごく頑張って楽しく報告してくれる。たぶん原動力は「自分大好き!楽しいの大好き!」って感じなんですかね。とにかくいつ見ても楽しそうなので好きです。手書きアニメや動画を使った表現も「すごく頑張ってる!」というエネルギーが伝わってきていいです。

《13位》 かんさい絵ことば辞典

http://ameblo.jp/kansai-ekotoba/

「しんきくさい」とか「ぬくい」なんていう関西ことばに、使用例という形でイラストを付けている実にかわいいブログ。いろはカルタの関西版って感じでとてもよいです。「分厚い辞書片手に選んでいるわけではなく、大阪や、その近辺で使われている言葉を選んでいます」という作者の狙いが成功しているほのぼの見たいブログです。

《14位》 Red Fox

http://redfox2667.blog111.fc2.com/

アメリカ在住の作者が、ニュースを多角的に分析するブログ。秋葉原で起こった連続殺傷事件の翌日にアップされた「秋葉原の無差別殺傷事件、英米ではどう見られているか 英タイムズ紙の読者コメント」という記事では、表題にもあるように、海外の新聞を翻訳することでこの事件が海外ではどう見られていたかを報じていた。こういった世界の視点を絡めたニュース解説がブログで読めるのは実に貴重。力作です。

《15位》 切手で読む地図の楽しみ

http://mapstampfan.at.webry.info/

世界各国の「切手に描かれた地図」を紹介しているブログ。「切手が描かれた地図」というものが、世界中にこれだけの数があることに驚きます。そして、その切手がとても個性的で面白いことにも驚きます。知らない世界をこれだけ丁寧に紹介してくれるとても貴重な記録。旅好きの人などはぜひ!

《16位》 メンズファッション塾-ネクステージ-

http://mfj2.exblog.jp/

ありそうであまりなかった青年男子によるファッション情報ブログ。といっても、無印良品で買ってきたものも多く、敷居が低いのがいい。といっても、彼がそれをさらっと着こなしているショットなんかを見ると、格好よくて「へー」と参考にできちゃいそうなところもいい。あと、合間合間には普通の日記もあって、適度に力が抜けているところがいいですね。

《17位》 どっちの水着でshowⅡ

http://blog.livedoor.jp/dochnomizugi/

グラビアアイドルの水着をテーマにしたブログなんですが、同じ水着が複数のグラビア撮影で使われていないかを探索し、それを報告するエントリー群がすごいです。同じ水着を2人が着ていたら「レベル2」3人なら「レベル3」という具合に分類し、なんと7人が同じ水着を着ている「レベル7」まであるんだから驚き。奇想天外な新機軸クラビア楽しみ術を堪能してください。

《18位》 絵本ならべ

http://www.ehon-narabe.com/

細かな工夫が素晴らしい絵本紹介のブログ。まず、感心するのが「絵の美しさ」「デザイン性」といった細かいポイントに対して、高、中、低といった独自評価を加えた基本データの詳細さ。また、絵本をひとつ選ぶと、同じタイプの絵本を紹介してくれる機能も絵本という素材によくマッチしてます。「新しい絵本を発見できるサイトを目指している」という作者の狙いが上手に表現されていると思いますね。多くの人の参考になるブログではないでしょうか。

《19位》 ☆彡旅する壁紙&待ち受け by たびさく

http://tabisaku.cocolog-nifty.com/photo/

世界中を旅する作者が撮影した風景を、壁紙や待ち受け用画像として提供しているブログ。週に2回コンスタントにアップされる画像が、どれも素晴らしいです。「フランス・晴天のモンサンミッシェル・世界遺産」の次の回には、「神奈川・江ヶ崎こ線橋」が出現するといった意外性も楽しいです。

《20位》 Google マップ ストリートビューのまとめ

リアルな街の写真が見られるGoogleの「ストリートビュー」が、大きな反響を呼んだことはみなさんもご記憶の通りですが、そのリリース直後に作られたのがこちらのブログ。そこで見られる珍しい風景を紹介しているわけですが、この緊急出版的な立ち上げがブログらしくてグッドです。リリース直後の8月には29回も更新しているのに、それっきり放置プレイなのも潔くてグッド。いろんな意味で実にブログらしいブログです。

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