2013年

発表!「スゴブロ2013」ベスト20

発表!「スゴブロ2013」ベスト20

「スゴブロ2013」のベスト20を発表します。
 その前に、毎年のお約束ですが「スゴブロ」の説明をしておきます。
 この「スゴブロ」のもとをたどると、04年に宝島社から刊行された『このブログがすごい!2005』という本になります。あまり有名ではないけれど面白いブログを紹介しようと作った本でしたが、大きく支持してもらったので、これ以降、05年、06年も本という形でやり、07年からはこの「スゴブロ」というサイトを立ち上げて、毎年ベスト20ブログを発表しています(このサイトに移行してからは、2月6日に発表)。
このベスト20をどうやって決めているのか――。正直言って、順位は、それほど厳密なものではありません。「7位と8位の差は何だ?」と問われても、「なんとなく」です。ただ、このベスト20に選定する上では、念頭に置いている基準があります。それはだいたい以下の3つでしょうか。

  1. ニュースなどを取り扱う二次情報系のブログよりも、自身の体験や考えを綴る一次情報系のブログを優先して選ぶ。
  2. ごく一般の方が発信しているケースを優先的に選ぶ。
  3. 多くの人にとって参考になる要素が多いブログを選ぶ。

 FacebookやTwitterなどSNSの隆盛で「ブログ」というものにスポットが当たらなくなった昨今ですが、今年も素晴らしいブログが紹介できたと思っています。特に今年は、ブログの原点のような趣味性の高いものに出会えた気がします。
 このランキングで多くの人が素晴らしいブログに出会えましたら。また、作者の方の更新モチベーションが少しでも上がれば、嬉しく思います。
 では今年もベスト20をどうぞ。(岡部敬史)

*今回も『面白いサイトを見つけたよ。』の武田タケさんにご協力いただきました。タケさん、来年もよろしく~。

《1位》 マッチ好きの少女

http://umematch.blog25.fc2.com/

「押し入れから、古いマッチコレクションの一部が出てきた」ことから、そのマッチの数々を紹介しているブログ。懐かしさと美しさを感じさせるマッチコレクションが、いろんな出会いを演出する様に感動の第一位。詳細はインタビューでご覧ください。

「マッチ好きの少女」インタビュー

《2位》 セブ山の特集 オモコロ特集

http://picup.omocoro.jp/?cid=39

笑えるネタの発信地として名高いサイト「オモコロ」の中で、今もっとも体を張って笑いをとりに来ているライターが「セブ山」さん。こちらは彼のネタの集積所ですが、なかでも面白いのが、1000リツイートされるまで帰れない「【Twitter実験】どんなツイートがRTされやすいのか?」などの、ツイッターやフェイスブックを使った実験企画。膨大な写真とともに紹介されるネタの数々は、疲れた頭でも楽しく読めます。

《3位》 タケルンバ卿日記

http://d.hatena.ne.jp/takerunba/

すでに多くの読者を獲得している人気ブログですが、「うるう肉の日結婚をしました」というエントリーを読んで、いっそう好きになりました。その結婚がブログ婚であり、奥様が10歳年下という情報にも魅かれましたが、せっかくだから名字を変えてみたかったと、奥様の姓に作者が変わったという件がとても興味深かったです。こんな様々な問題提起が読み応えにつながるこのブログですが、昨年は、「被災地の今を訪ねる」という連続記事も出色の出来。その「(5)」の「復興予算の使い回しが問題になっているけども、実際に被災地を見ていくと、復興予算の使い道がないという現実に気付く。まだ、何かをつくる状況になっていない。その下段階が整った地域が少しずつ出てきた状態にすぎない。」という一文が実に印象的でした。

《4位》 マンホール博物館

http://blogs.yahoo.co.jp/suzuran401

「普段はあまり気がつかないマンホールのデザインですが、よく見てみると結構面白かったり、綺麗だったりするんですよ」。こんな動機で全国はおろか、海外にまで足を伸ばしてマンホールを紹介しているブログ。その数は、現在なんと550を超えて現在も増加中。写真だけでなく、そのデザインの由来も書かれているのが、勉強になります。

《5位》 恐るべき児童公園

http://waradutoya.blog.so-net.ne.jp/

テレビや雑誌ではあまり語られることのない「児童公園」にスポットを当て、都内中心とはいえ、膨大な数の公園に足を運び遊具などを写真とともに丁寧にレポートしている、実に貴重な記録。このブログを見ていると「恐るべき」という謳い文句に思わず同意したくなるほど公園の多様性に驚きます。子どもとの公園ライフを送っているパパ&ママさん必読です。

《6位》 クサマヒサコの野菜ノート

http://vege.way-nifty.com/vegetable/

様々なメディアでコピーライターなど多種な活動をする作者の野菜に関するブログ。「[野菜の学校](6) 仙台曲がりねぎ」などの記事を見ると、野菜の概要からはじまり、栄養、調理法など、大変わかりやすく解説されています。日本の大切文化・在来種についての言及も多く、野菜について知りたい方におすすめの秀作です。

《7位》 コーヒーとお茶 お家が喫茶店

http://cafete.blog91.fc2.com/

コーヒーやお茶、ワインなどの嗜好品&お店ルポ。写真とともに簡単な感想を綴るブログが多いなか、「今は基本的に自家焙煎のコーヒー屋めぐりを趣味としています」という作者の焙煎機などにも注目するレポートからは、ワンランク上の視点を得ることができます。《楽しみにしていたコーヒーは、まず運ばれてきたときの香りが悪い。劣化した豆の香りがします。飲む前から少し残念な気持ちに。でも味自体はそんなに悪くない。フレーバーなどの広がりに欠ける感はありますが、レストランで飲むコーヒーとしては良い。でもだからこそ余計にこの劣化した香りはもったいない。》といった辛口のコメントにも説得力を感じます。

《8位》 書評で人と本をつなげるブログ|ブックハウス

http://dkt-house.com/

《人と本をつなげたい、という思いからこのサイトをつくりました。ブログの名前に"書評"と入っていますが、本を評価することよりも、どうやってブログを読んでくださる方に情報を提供できるか、ということに注力しています》。こんなブログの紹介に魅かれて読み始めたブログ。丁寧な本のレビューだけでなく、「文学バー・カフェ Liseur 〜リズール〜/途中下車の味」や「『五反田アートブックバザール』に行ってきました」など、本を巡る旅のレポートも楽しく、これからの更新がとても楽しみな秀作です。

《9位》 蕎麦人

http://sobajin.toured.jp/

《蕎麦人(そばじん)は、全国各地の美味しい蕎麦屋や余り知られていない蕎麦屋を探して巡り、食べ歩きの感想やお店の様子などを紹介しているブログです》。ブログの説明には、このように何の変哲もなさそうな紹介が書かれていますが、蕎麦ブログとしては最高峰レベルの情報が詰まったスゴブロです。全国47都道府県を制覇したその訪問数は、まもなく800店に到達しようという勢い。蕎麦店の紹介記事も、豊富な写真とともに、大変わかりやすく美味しそう。お見事です。

《10位》 TOILET.net

http://toilet-net.seesaa.net/

サブタイトルにあるように「世界の美しいトイレ、面白トイレを紹介するブログ」なのですが、これが見ていて面白いのです。「おしっこでギター演奏ができるトイレ」という珍品トイレの紹介もいいんだけど、トイレットペーパーがなくなったシーンを集めた「悲しみのエンプティー」なんてアート系の記事も哀愁美があって好きですねー。

《11位》 東京ソトアサ日記~東京&仙台で朝食を~

http://blog.livedoor.jp/yusai1227/

ありそうであまりなかった朝食がテーマのブログ。2005年1月からカフェのモーニングサービス等で朝食を食べる「ソトアサ族」(in東京)になった作者が、今まで訪れたソトアサスポットは500軒以上というのだから、そのデータ量は膨大。個人的には、作者が「史上最高のバタートースト」と唸る「珈琲貴族エジンバラ(新宿)」にいつか行きたいと思っています。

《12位》 今日の田舎

http://kyounoinak.exblog.jp/

岩手県・岩泉町にある道の駅の作者が、田舎の情報を発信するブログ。真面目な食の話から、現地のイベント、自然の話など、話題は多岐に渡りますが、どれも現場の空気感がほどよく伝わってきます。「【追悼】安家地大根の長老に感謝を込めて」など、田舎の長老の豊かな生き方など、広く今の日本に伝えたいエントリーが豊富です。

《13位》 よわよわカメラウーマン日記

http://yowayowacamera.com/

よわよわカメラウーマン = 林ナツミさんが、日常の記録とともにアップしている浮遊写真が面白い。《浮遊する場所と構図を決め、手動でピントを合わせます。シャッターボタンを押したら、浮遊場所に走って行ってポーズを決めて、カメラ全面の赤ランプの点滅 (10秒のカウントダウン) を確認します。点滅が早まったら、あとは勘です。うまくいくまで何度でも跳ぶ必要があります。》こんな苦心の末に撮られた作品、ぜひご覧ください。

《14位》 今宵のレコード

http://tonightrecord.cocolog-nifty.com/blog/

レコード評を、寸評、ジャケット、全曲紹介&YouTubeへのリンクという便利でわかりやすい構成で発信しているブログ。そのレビュー数は膨大、かつ入り口を「跡・廃墟ジャケ」「謎の生物・怪獣・妖怪ジャケ」など、ジャケット愛から作っているところも高感度大。音楽好きは是非どうぞ!

《15位》 これ、誰がデザインしたの?

http://blog.excite.co.jp/dezagen

《身の回りの「デザイン」はどのように デザインされたのか、をまとめた書籍 『これ、誰がデザインしたの?』の著者と編集者によるブログ》。懐かしいアイスクリーム「ホームランバー」のデザインは和田誠さんの手によるもの(「メイトー ホームランバー前編」)など、実に興味深い記事が多く、デザイン好きの方にぜひおすすめしたい佳作です。

《16位》 ミキ☆レポ

http://mikirepo.blogspot.jp/

現在高校生3年生の草野ミキさんが、主にWEB企業に取材して、その模様をレポートしているのが、この「ミキ☆レポ」。「Yahoo!JAPAN 社員さんに突撃インタビュー! 」には、冒頭「私がインターネットを初めて早12年。一番最初に見たサイトがYahoo!JAPANさんでした」とありましたが、ということは6歳からネット環境があったわけですね......となにやら感慨深くなりました。そんなミキさんのこのブログですが、実に完成度が高く、昨今の高校生のネット精通度を知るうえでも大変興味深いブログでした。

《17位》 Snowplows Blog

http://blogs.yahoo.co.jp/magpatngk

「子供の頃から除雪車が好きで、特に除雪トラックがお気に入りです。雪煙と火花をあげて走る姿がたまらなく好きです」という作者による除雪車ブログ。写真はどれも面白いですが、とくに青空に向かって雪を吐き上げる姿が颯爽としていいですね。

《18位》 サッカー蟻地獄

http://d.hatena.ne.jp/frecce/

「サッカーというものは、蟻地獄のように一度はまったら抜けられない、どんどん深みにはまっていく、ということでこの名前をつけました」という作者によるブログ。注目は、サンフレッチェ広島サポの作者が、6月27日に浦和戦が、そして6月30日の仙台戦があることに気づき自転車で観戦に行った「浦安から仙台までJヴィレッジ経由で行ってみた。自転車で。(装備編)」という記録。臨場感抜群の連作記事は、必見です。

《19位》 宮大工 (株)飛鳥工務店 棟梁のブログ

http://miyadaiku.hamazo.tv/

こちらの大工さんによるブログでは、様々な家が出来上がる行程が豊富な写真で見ることができます。宮大工さんゆえ、通常の家だけでなく、寺社建築も出かけておられて、その珍しい模様は「袋井市・圓明寺本堂新築」などの記事で見ることができます。

《20位》 最強伝説

http://ashey.blog.fc2.com/

軍人からアニメキャラに企業、食べ物など森羅万象のスゴいところ(必ずしも褒めではないですが)を「最強伝説」と銘打って紹介しているブログ。「草野仁最強伝説」など笑えるネタも多いですが、一番驚いたのは不老不死だという「ベニクラゲ最強伝説」でした。